国立市のNPO法人における情報発信

業でも政府でもない新しい組織形態として注目を浴びるNPO。そして、20世紀後半に誕生し劇的に普及を進めたインターネット。両者が出会うことにより優れたシナジーは生まれうるのかをテーマに、前半部分では、NPO・インターネットの発展の経緯、特徴を議論し、後半部分では、実際にインタビューを行い現場の姿を追った。

NPOとは目的への共感を軸とした組織であり、企業・政府が提供できていないサービスの提供を志している。しかし、社会的な認知が進んでいないため資金・人材面で障害が多い。その障害を越えるには、目的に共感してくれる人を効率的に集め、寄付・協力を得ることが重要となる。そして、その際インターネットが適役であると期待されるのだ。なぜなら、インターネットは、情報の受け手が非常に多く、情報発信のコストが非常に安価であり、また、ウェブサイト・電子メール・掲示板などの機能を使うことで様々な利用者のニーズに応えることも可能なためである。このような仮説を元に、現状を知るために国立市の NPO関係者ならびに自然エネルギー市民ファンドにインタビューを行った。しかし、残念ながらインタビューによって明らかになった現状は予想を上回る厳しいものであった。国立市のNPO多くは事業が軌道に乗っておらず、日々の業務を回すことで精一杯になっている。インターネットを用いた情報発信に興味はあっても、人材・技術が全然追いついていかないのである。

そのような中、他NPOの成功例や国立市行政、NPO支援団体である国立NPO支援室へのインタビューから着想を得て、「NPOを扱うポータルサイトを整備」「行政からNPOへサービス利用者の流れの委譲」「活動に共感してくれる既存の組織との協働」が国立市のNPO発展には重要であると結論付けている。また、インターネットに慣れ親しんだ世代がNPOの中心になることで、インターネットによる人の繋がりが一般的なものとなり、その繋がりがNPOの新たな活力となる可能性を示唆している。 この論文ではメディアによる中国人イメージの形成への影響を調査、分析する。具体的には2005年4月に中国各地で起きた反日デモ活動の報道をメディアを通じて読んだり見た後、メディアに接しなかった人と中国人に対するイメージはどのように異なったか、またメディアによる差異はあったか、ということを調査した。メディアによる差異というのは新聞とテレビニュース、それぞれを見た人の間の差である。さらに、反日デモ活動の報道に接していると、デモ活動が大規模なものであり中国人の反日感情を非常に強いものと感じるようになるのではないか、と考えこの点に関しても調査を行った。